インサイドセールス(内勤)とフィールドセールス(外勤)の1日
インサイドセールスとフィールドセールスの1日の流れ
インサイドセールスは内勤で非対面のアプローチを担い、フィールドセールスは実際に訪問して提案・クロージングを行います。この分業体制が広がったことで、営業職の1日の流れは以前より多様になりました。
1日の流れの比較
| 比較項目 | インサイドセールス(内勤) | フィールドセールス(外勤) |
|---|---|---|
| 主な勤務場所 | オフィス、または自宅(テレワーク可の企業あり) | 顧客先、移動中、帰社後のオフィス |
| 主な業務 | 架電、メール、Web会議、リード育成 | 訪問商談、提案、クロージング、既存フォロー |
| 1日の顧客接触件数 | 20〜50件(架電含む) | 2〜4件 |
| 移動時間 | ほぼゼロ | 1日1〜3時間程度 |
| 使うツール | SFA/CRM、MA、Web会議、通話録音・分析 | SFA/CRM、モバイル端末、電子契約 |
| 主なKPI | 架電数、接続率、商談화設定数(アポ獲得数) | 商談件数、受注率、受注金額 |
| 昼休憩 | 決まった時間に取りやすい | アポの合間に流動的に取る |
| テレワークとの相性 | 高い | 訪問が前提のため限定的 |
インサイドセールスの1日の流れ(例)
- 9:00 出社またはログイン、当日の架電リストと優先順位の確認
- 9:30 チームで前日の商談化状況とトークの改善点を共有
- 10:00 架電・メール送信(午前は接続率が高い時間帯)
- 12:00 昼休憩
- 13:00 Web会議での初回ヒアリング、フィールドセールスへの引き継ぎ準備
- 15:00 架電再開、MAツールで反応のあったリードへ優先アプローチ
- 17:00 SFA入力、引き継ぎメモ作成、翌日リストの整備
- 18:00 退勤
役割分担がもたらす1日の変化
分業体制では、インサイドセールスが「商談の入口」をつくり、フィールドセールスが「提案とクロージング」に集中します。その結果、フィールドセールス側は自分でアポを取る時間が減り、1日あたりの商談件数を増やしやすくなります。
一方で、分業されていない会社では、1人の営業がアポ取りから納品後フォローまでを担います。この場合は午前がテレアポ、午後が商談、夕方が事務処理という、冒頭で紹介した標準形に近い1日になります。志望先の求人票を読む際は、「分業しているかどうか」を確認するだけでも、1日の流れの想像がかなり具体的になります。
SFA・AIツールが1日の流れを変えている
近年は、商談の録音データから文字起こしと議事録を自動生成したり、メール文面の下書きを生成AIに作らせたりする企業が増えています。これにより、帰社後の事務作業時間を短縮する動きが広がっています。
また、商談後すぐにスマートフォンやタブレットからSFAへ履歴を入力し、上司やインサイドセールスとリアルタイムで情報を共有するのが標準的なフローになりました。「帰社してからまとめて入力する」やり方に比べ、記憶が新しいうちに残せるため精度も上がり、夕方の作業量も減らせます。
2026年の働き方トレンドが営業職の1日の流れに与える影響
営業職の1日の流れは、ここ数年で明確に変化しています。特に「出社形態」と「AI・SFAによる事務作業の圧縮」の2点は、退勤時間に直結する変化です。
| トレンド | 1日の流れへの影響 | 押さえておきたい点 |
|---|---|---|
| 原則出社への回帰 | 朝礼や帰社後の作業がオフィス前提に戻り、移動時間が増える | テレワーク実施率は21.4%と微減傾向、「原則出社」の指示は24.6%と2年連続で増加 |
| 生成AIの業務活用 | 商談の文字起こし・議事録作成・メール下書きが自動化され、夕方の事務時間が短縮 | ツールの導入有無で1日の残業量が変わる |
| SFAへの即時入力の定着 | 商談直後にモバイルから入力し、帰社後の作業を前倒し | チーム内の情報共有スピードが上がる |
| 直行直帰の推奨 | 朝一のアポへ自宅から直行、夕方のアポ後にそのまま帰宅 | 実際の運用率を確認したい |
| オンライン商談の常態化 | 移動が減り、1日の商談件数を増やしやすい | 対面が求められる商材では併用が前提 |
| 営業職の求人増加 | 選択肢が広がり、働き方で職場を選びやすい状況 | 転職市場で営業職の求人は前年比120.1%と堅調に推移 |
逆に、ツールが導入されていない職場では、移動時間の増加分がそのまま残業に転嫁されやすくなります。企業研究の際は「どんなSFA・AIツールを使っているか」を確認しておくと、1日の流れをかなり具体的に予測できます。
営業職の専門用語と評価・収入の仕組みを1日の流れから理解する
営業職の1日の流れは、専門用語を知っているだけで理解度が大きく変わります。求人票や面接でも頻出するため、最低限の用語は押さえておきましょう。
| 用語 | 意味 | 1日のどこで出てくるか |
|---|---|---|
| KPI | アポ獲得数や商談件数など、最終目標を達成するための中間指標 | 朝礼での進捗共有、日報 |
| インサイドセールス | 電話・メール・Web会議で非対面アプローチを行う内勤営業 | 午前の架電、リード育成 |
| フィールドセールス | 顧客を訪問し、具体的な提案やクロージングを行う外勤営業 | 午後の商談・訪問 |
| SFA | 商談履歴や顧客情報を管理し、営業活動を効率化する営業支援システム | 商談直後の入力、帰社後の整理 |
| アイミツ(相見積もり) | 複数の業者から見積もりを取り、価格やサービス内容を比較すること | 提案フェーズ、価格交渉 |
| アライアンス | 複数の企業が互いの利益や業務拡大を目的に業務提携を行うこと | 大型案件の企画、社内会議 |
| リード | 見込み客。まだ商談化していない接点段階の顧客情報 | 朝のリスト確認、架電先の選定 |
| クロージング | 契約に向けて意思決定を促す最終段階の商談 | 午後の商談、最終提案 |
| 直行直帰 | 会社に寄らず自宅から訪問先へ行き、終了後そのまま帰宅する働き方 | 朝一のアポ、夕方のアポ後 |
| 日報 | その日の活動内容と結果、翌日の予定を報告する記録 | 退勤前 |
評価と収入がどう決まるか
営業職の評価は、売上や粗利といった結果指標と、商談件数・アポ獲得数といったプロセス指標(KPI)の組み合わせで判断されるのが一般的です。1日の流れの中で行うすべての行動が、このどちらかに紐づいています。
収入面では、基本給に加えてインセンティブが設定される企業が多く、成果によって同年代でも年収差が生じます。この構造上、「成果が出るまでの期間をどう支えてくれる制度があるか」が重要になります。入社前には、以下の点を確認しておくと判断しやすくなります。
- 基本給とインセンティブの比率、およびインセンティブの算定方法
- みなし残業(固定残業代)の有無と、含まれる時間数
- 超過分の残業代が支給されるルールになっているか
- 賞与の支給実績と、評価にどう連動するか
- 交通費・通信費・接待費の負担区分と精算方法
- 研修制度、同行フォロー、目標設定の面談頻度
- 昇格までの標準的な年数と、必要な要件